カミネッコン
   植樹実験
「小さな森」の記録
2000年




















2001年


























2004年

















2000年、幕張ベイタウンでは街路樹や公園の樹木が強い海風のせいか次々と立ち枯れしていました。
そんなとき、素人でも木を植えられるという「カミネッコン」に出会いました。
小さな苗木を再生紙でつくったポット(愛称・カミネッコン)に土と一緒にいれて、それをそのまま地面に置くだけでいいというのです。
北大名誉教授の東先生が考案したバイオブロック工法という植樹方法です。

苗木はその土地の木の種から発芽させてつくったり、その辺に生えている実生の幼苗を使うリサイクル思考は面白いと思いました。
苗木の周りはヤナギのさし木を風除け役としてグルリと囲む、それはいかにも海風の強いこの場所で頼もしい方法と思えました。

そこで近隣の神社・公園から木の種をひろい発芽させました。
カミネッコンは子どもたちが組み立てて、木の苗と土をいれて持ちかえり、冬のあいだ里親としてベランダで育てました。

いろんな木の種を採取する どの木の種が芽吹くか大実験! ヤナギで風よけ役のさし木づくり

植える場所は千葉県企業庁から小学校建設予定地の一角を借りました。

2001年春、住民ばかりの素人が集まり植樹をしました。植樹といっても、それぞれ持ち寄った苗のはいったカミネッコンを地面に置き、そのまわりにヤナギのさし木のはいったカミネッコンを並べるだけです。本当に小さなこどもにもできました。

2001年春 埋立地の植樹実験はじまり! いろんな種類の木で仲間づくり カミネッコンは6角形だから組み合わせ自由

埋立地そのままの土地は栄養もなくカチコチにかたくて、そのままでは木を植えてもうまく育ちません。だから普通は大きな穴をほり、他からもってきたやわらかい土(客土)をいれて植えます。素人が簡単にできることではありません。
こんなに海風が強くて栄養も乏しい埋立地に小さな苗木をそのまま置くだけで大丈夫だろうか・・・・という心配をよそに、しかし小さな苗木たちはスクスクと育ちました。

2001年夏 草刈り ヤナギは立派な風よけ役に成長 1年後、こんなになりました

2004年夏、3年たって木たちはひとつの緑のかたまり・・・「ちいさな森」になりました。
いろんなドングリや木の種から育てた木は23樹種、さし木は7樹種、近隣公園などから採取した幼苗から10樹種、全部で40種類もの木たちが厳しい環境にもめげず、お互いが助け合って小さな森のビオトープをつくっていました。成長の早いヤナギなどは大人の背丈を大きく超えていました。
周囲の土は足に固いけれど、「小さな森」の中だけは降り積もった落ち葉でフワフワしていました。
バッタやテントウムシなど、小さな昆虫が住みつき、虫を食べにきた鳥が運んだのでしょう、種から発芽したばかりの小さな木の苗が何本も生えていました。

小さな森の住人・バッタ 小さな森の小さな仲間の芽ばえ 2003年夏 小さな森お別れ観察会

美浜打瀬小学校の建設で「小さな森」はなくなったけれど、私たちは、木の種をさがす楽しみ、芽吹きの感動や育てる喜びを知りました。それはとても貴重な経験でした。
また、素人の住民でも木を育てられる方法を学ぶことができました。

幼苗、密植、多様な樹種の混植とマルチング、そして風よけの工夫・・・・私たちが学んだこの方法は「エントの庭/緑の壁」で生かされています。
Copyright (C) 2004-2008 Green Thumb All right reserved